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2026-03-13

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東京大学の学生と「10年後のオフィスの在り方」を考えるワークショップを実施

この度、東京大学大学院 経済学研究科 稲水伸行准教授のゼミ(以下、「稲水ゼミ」)の
学生の皆さんと共に、「10年後のオフィスの在り方」を考えるワークショップを2日間に亘って実施しました。
ワークショップ1日目は三菱地所からオフィスツアーを含めたインプットを行い、
そこから約1カ月間のグループワーク期間を経て、2日目に学生の皆さんからプレゼンを実施いただきました。
当社の「オフィスづくりの実績」に大学生の「柔軟な発想」が掛け合わさることで、
多くの気づき(インサイト)が得られたワークショップの様子をご紹介します。


PROFILE

稲水 伸行 氏

所  属:東京大学大学院 経済学研究科 准教授
経  歴:平成15年 東京大学 経済学部卒業。東京大学 ものづくり経営研究センター特任助教等を経て、現職(平成28年~)。
研究課題:日本企業の職場組織の動態について、定量・定性の両面から調査分析を行うとともに、コンピュータ・シミュレーションを用いたモデル化にも取り組んでいる。
主な著書:『流動化する組織の意思決定 エージェント・ベース・アプローチ』(東京大学出版会)

【1日目 @三菱地所本社(大手町パークビルディング)】

ビル営業一部 FMコンサルティング室 統括の相原より、「人的資本経営に資するオフィス環境」に関する講義を行った後、三菱地所の本社オフィスツアーを実施。当社社員よりオフィス構築の考え方・コンセプトを説明しながら見学いただきましたが、ツアー中も学生の皆さんから様々な質問が寄せられました。

講義概要 :人的資本経営に資するオフィス環境とは

働き方改革関連法の成立やコロナの流行を背景に、リモート/ハイブリッドワークへの移行が急速に進み、働き方は大きな転換期を迎えた。その結果、経営層・ベテラン・若手など階層間の分断が発生し、「オフィスは何のためにあるのか」という存在の再定義がなされるようになった。

そうした中で、経営者はオフラインの働き方(出社回帰)を期待する一方、ワーカーは柔軟な働き方の継続を望むため、大きな流れとしてはハイブリッドワークが継続するものと思われる。

また企業は、働き方の変化だけではなく、慢性的な人材不足という問題にも直面している。ワーカーの就業先選択においては、「オフィス環境」の重要性が高まっていることから、人的資本への投資(人材確保・人材成長)として、集中力・協働性・快適性・選択肢を備えたオフィス環境整備が求められてきている。

1日目(講義・オフィスツアー)に対する学生の声
・今までは座学として聞いていたオフィス論が、実際のオフィスを見学することでより理解が深まり、また、新たな気付きも多くあり、非常に有意義だった。
・偶発的な出会いを促進している点や、状況に応じてあらゆるタイプの執務環境を選択できる仕組みは、今後のオフィストレンドになっていくと感じた。
・ただ見て回るだけではなく、オフィスの空間設計の意図や現在のレイアウトに至った背景についてもご説明いただけたので、オフィス作りに必要な観点等への理解が深まった。

【2日目 @東京大学本郷キャンパス 小島ホール】

以下のテーマについて、4グループに分かれて約1ヶ月間グループワークを行っていただき、各グループから「10年後のオフィスの在り方」について、プレゼンテーションを実施いただきました。

検討テーマ

AIの目覚ましい発展等、時代の変化が加速し続けている昨今ですが、
「10年後の働き方」はどのようになっていると思いますか?
また、10年であらゆる進化を遂げた未来のオフィスにはどのような機能や制度が必要でしょうか。

各グループのプレゼンテーション概要

グループ1 
「若年層向け 職住一体型オフィス」

・10年後の働き方/課題
AIの発展が進むことで、現在より更に、ハイブリッド/リモートワークの常識化が加速する。経営層にとっては会社への帰属意識が希薄になる問題が発生する。

・10年後のオフィスとは
オフィスと住居エリアを一体化させることで、偶発的な交流を発生させ、会社への帰属意識を醸成。またマイクロシフティングの考え方に基づく働き方にも対応しやすくなる。一方で、公私の境界の曖昧化が懸念されるため、対策の検討は必要となる。
※マイクロシフティング:1日の勤務時間を従来の8時間連続ではなく、6時間以下の短い不連続なブロックに分割し、個人の生活リズムや集中力に合わせて働く、ハイブリッドワークの発展形。

グループ2
「MEC PASSPORT構想」

・10年後の働き方/課題
兼業/副業の拡大を始めとした、職業選択の自由が加速していく一方で、繋がりの希薄化・情報漏洩リスクの増大といった、協業を妨げる課題が顕在化する。

・10年後のオフィスとは
単なる賃貸借契約ではなく、企業に、「MEC PASSPORT」という街全体の様々なリソースを活用できる会員権を発行する。お互いの信用性が担保された会員同士が、街全体で交流することで、協業が活発化する。
※MEC:弊社英語表記の略称

グループ3
「企業タイプ別における10年後の働き方とオフィス」
※企業を3分類し、タイプ毎の課題/オフィスの在り方を整理。

・10年後の働き方/課題
①保守的大企業AI技術で様々な問題が解決されるからこそ、主体性や責任感が喪失し、企業DNAの継承も危ぶまれる。
②革新的大企業イノベーション創出に資する執務環境は整えど、交流するメンバーが偏るという課題や、交流の質を高める必要が出てくる。
③ベンチャー企業ハードワークが常態化する中で、休息の必要性は認識されつつも、依然として休息することへの心理的な抵抗感は残っている。

・10年後のオフィスとは
①保守的大企業:主体性や責任感を醸成するため、AIに頼らない、人間同士で解決を図る働き方に回帰し、責任を全身で引き受ける場所となる。
②革新的大企業:各社員が抱える課題に対して、最適な知見を持つ社員をAIマッチングさせる制度が広がる。
③ベンチャー企業:働きながら休息できる酸素カプセル型個室ブースの導入が広がる。

グループ4
「ワークとライフをスムーズにつなぐ拠点に」

・10年後の働き方
ワークライフインテグレーションという、仕事と私生活を融合させることで相乗効果を生む働き方が重視されるようになる。

・10年後のオフィスとは
オフィスはワークとライフを滑らかに繋ぐ「チューニング拠点」となる。例えば入退館の導線において照明や香りでグラデーションをつけたり、あえてオフィスの中心に「ライフ」の刺激を受ける(仕事からは解放された)スペースを設置したりすることで、ワークとライフの融合がさらに進むと考える。


2日目(成果発表)に対する学生の声
・ワークショップ当日に三菱地所の社員の方から発表内容について直接フィードバックをいただけたことが、今後の学びにつながる非常に貴重な機会となった。
・三菱地所のオフィスが、「現在考えうるオフィスの理想系」として完成されているが故に、自分たちが新しく提案できることは何かと模索するのが最も苦労した点であった。
・10年後と自分は定義していたが、三菱地所の社員の方からは「大変参考になるアイデアだ。明日からでも実際のオフィスづくりの現場に取り入れたい」といったコメントをいただき、オフィスの在り方・価値が旧来から新たなものに変わろうとしているまさに過渡期だと認識した。

2日間の総評:稲水准教授より

今回のワークショップの開催にあたり、多大なご協力をいただいた三菱地所の皆さまに心より感謝申し上げます。オフィス見学という貴重な機会に加え、皆さまからのありがたいご提案により、2日目には成果発表とディスカッションの場まで設けていただき、学生にとって大変刺激的な学びの機会となりました。

10年後という不確実な未来をテーマにしたことで、正解が一つではない分、学生たちからは柔軟でユニークな発想が数多く生まれました。職住一体型オフィスや街全体をリソースとして活用する「MEC PASSPORT」の構想、酸素カプセル型ブースといった働き方支援のアイデア、さらにはワークとライフをつなぐ「チューニング拠点」という視点など、いずれのグループの提案にも独自の着眼点がありました。私自身も「なるほど」と思わされる場面が多く、視野を広げることのできる貴重な機会となりました。

改めて、このような機会をご提供いただいた三菱地所の皆さまに深く御礼申し上げます。

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